カテゴリ:光学夜話( 5 )

陰影

c0167369_2205456.jpg


ライカのレンズの中でもひときわ明るいノクチルックス。
その独特な描写は、陰影を太めの筆でなぞる様な、陰影とトーンのちょっと厚ぼったい感じにあるのでしょう。

暗い場所では実に助かる、
闇の中の光を観るレンズ。




  
[PR]
by K_Mutori | 2013-02-12 02:44 | 光学夜話

夕まぐれに関する5つの断片

c0167369_1511193.jpg
chap/1
 隣町で花火大会がありました。
 ドッと空気が振動する様な音がして、
 巨大な光の華が夜空にひらきまたとじ。
 でも子供心にはその大輪の華よりも、
 そのひらく空は更に高く広く、
 悲しくなる位に透明な広がりがあるのだなぁと

 感じていた事を覚えています。

 小学校の頃の記憶をたぐりながら
 その光を見つめていました。







chap/2
 能楽の演奏家の方からツツミはその音をきかせるのではなく、その響きからその無音の空間を際立たせるのが肝心。
 そうきいた事があります。

 その方の眼差しは私を見ているのではなく、私の後ろにある何ものかを見射る様な
 透明なものでした。



chap/3
 「何かが起こりそう」な雰囲気を作る事がタイセツなんだ。
 その事前の雰囲気を作る、その事が私の映画なんだ。
 ただそれが起こっちまったらオシマイなんだ、そんな事はどこでも起こっている。       『映画とその時代』より


chap/2.2
 建立式の、竹に注連縄で区切られた直方体の空間。
 "虚空"はそこにモノが存在しないのではなく、その場に一杯の存在が詰まっていて、
 それ故にソノモノが見えない。そんな話。





chap/3c0167369_2521010.jpg
 戸棚には鍵がかかっている!何という不思議!
 私は幾度も、その中に輝く神秘なる物を夢見た!


chap/4
 囲われたことによる
 "ウツロ"はそこに
 うつろってくる何ものかを

 呼び込む1つの感覚装置として
 存在するのでしょう。

 暗い小部屋の神秘、フラジァイルな。
 慎重なる光の強奪。


    chap/5
       ---- -- --- -





  
[PR]
by K_Mutori | 2012-08-01 02:59 | 光学夜話

ミツバチと夕立

c0167369_032133.jpg

つい先日、久しぶりに何本か映画を見ました。
長く見たいなと思っていた「ミツバチのささやき」などもあって、これなどやはりなかなかのものでした。

特に夕方の光に照らし出された室内のトワイライトな雰囲気、野溝七生子さんの『山梔』に見る様な
"夕方の寂しさ"と言ったら言い過ぎでしょうが、似通う斜陽の支配する世界が描かれています。

また、脇に立てかけてある椅子の強い存在感等、以前西洋美術館で開催していた
"ヴィルヘルム・ハンマースホイ"の絵画の様な、語りかける事をやめた部屋の静まり返った雰囲気も大変良く、
シーンごと実にフラジャイルなものでした。

夕刻にどこからか漏れ聞こえてくる人の声や汽車の音、
遠くの積乱雲にひらめく雷の光、
停電した時に目に残る一瞬の残像など。

フラジャイルな物の魅力というのは褪せる事がありません。

"自分"という普段実に強固だと思っている物が何の抵抗もなくほつれてしまう様な。
「遊星的孤独」と言った方もいらっしゃいましたか。

自分の回りに弱く放電する様な、微弱な感応性を写真では大切にしたいと改めて思うのでした。
[PR]
by K_Mutori | 2012-07-19 01:09 | 光学夜話

昔の事

c0167369_057790.jpg

これまで写真を撮っていて、自分の写真を見返して、特に感じる様になったのは
自分が『過去に感じた光や印象を探してる』という事でした。

子供の頃、ふと昼寝をしてしまって、はたと起きた時の誰もいない家、
閉じたブラインドから差し込む柔らかな日差しの明るさと、漠とした寂しさ。

そうしてしだいに忘れてしまった小さい頃の"空気"や"光"といったものを
知らずのうちに自分の写真が写している事。
想像以上に子供の頃の日々が、自分の中で息づいていた事にも、改めて驚いたものでした。

外へ外へ出て行く事で、見えてくる自身もあるでしょう。
そして自分の中へ中へと沈む事で、見えてくる世界もある。
自分は多くの場合に後者だったようです。

そんな事も、写真は教えてくれました。


 

 
[PR]
by K_Mutori | 2012-06-14 01:12 | 光学夜話

言葉にする。

c0167369_1362984.jpg

写真を撮る時は、言葉は邪魔な物だけれど
撮ったあとに自分を理解するには、苦労しても言葉にする努力は必要なのだと思います。

 『自分に自分ではない自分を伝えるため』


でもその後で、また撮る時に、築いた言葉を全て捨て去るのが一番タイセツなのだけれど。





 
[PR]
by K_Mutori | 2012-06-07 01:55 | 光学夜話

モノクロームメインでの写真Blogです。


by k_Mutori

プロフィールを見る

カテゴリ

全体
写真:夜と夜の旅
写真:博物誌
写真:7つの鳥篭
写真:西方遍歴
写真:未萌の庭から
暗室作業
写真機とレンズ
光学夜話
オブジェ志向
日々の徒然
展示とイベント
Botanical Garden.
ZEISS Biotar 7.5cm
Pan Tacher 125mm
ZEISS Topogon 25mm
PictorialTachar 75mm
B&R Raytar 100mm
Goerz Photomaton 3in
Xenon 80mm/f2.0
未分類

タグ

(60)
(51)
(50)
(48)
(34)
(14)
(13)
(12)
(12)
(8)

その他のジャンル