Glass Plate Photograph.
ガラス乾板、意外とあっさり実験成功です。
通常、カメラの感光材はフィルムベースですが、これはそれをガラス板に定着したもの。
通常の写真に比べて、そのフラジリティは尋常ではないものがあります。
生々流転して行く有機体の、あまりに儚き記憶を託すには
これは極力無機物的であることが望まれるのではないでしょうか。
写真の銀粒子、活版印刷によるインク・ブラックの黒、黒鉛・鉛白の対比、ラスコーの絵画、
そして私達に流れる血の記憶としての鉄の存在…。
時間軸を異にする鉱物的世界への憧憬。
その悲願の美しさこそが、写真的美しさの一翼を担っていると思えてなりません。
うーしかしこの写真、ひょんな事から手に入れたSummilux35mmを使用していますが
湿潤な美しい描写ですね…。
すぐに手放すつもりでしたが、ちょっと決心が揺れています。
by K_Mutori
| 2011-12-15 02:06
| 暗室作業