機関車を見る

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先日、機関車の走行試験があるというので、知り合いの方々に同行させて頂きました。
もしろん写真に撮りたいという事がありましたが、宮沢賢治をはじめとする数多くの『陸蒸気』に魅せられた人々の、何がそこまで引きつけたのかを知りたい!そんな思いもありました。
果たして、駅舎で到着を待っていると、遠く辺遠のかなたから忘れられた様に鳴く汽笛。かすかに、次第に大きく振動を伝えるレイル、何かを待つ期待と、どうしようもない寂しさ。あぁ、これは少年には何とも耐え難い体験になるだろうという事は、これは分かりすぎるくらいに感じました。

噴煙を上げて黒光りする機械の、その猛々しさだけではなく、どこか強い物のいい知れぬ寂しさ、悲しさの様な物をも、蒸気機関車は体現しているのでしょう。未だ見ぬどこかへの憧れと、不安の象徴として、走るSLはあったのかもしれません。
今しも走り終えた動輪は蒸気機関の熱を伝え、白い煙は吐くため息の様に、骸炭の燃えた香を漂わせる様は、『美しきものの黒光りする唐突』と、まさに言い得るものでした。

速度、削りだしの歯車、スチーム、動輪、オイル、圧力、振動。
内在する儚さ、フラジリティに富むオブジェクト達。

未だ機械が「機能」に成り果てていない、美しい時代の遺物。
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by K_Mutori | 2012-02-19 02:58 | オブジェ志向

モノクロームメインでの写真Blogです。


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